生卵を食べても問題なし!卵白のみあげるのはNG
卵白 | 生の卵白にはビタミンB群の「ビオチン」の吸収を邪魔する働きを持つアビジンという成分が含まれ、大量に摂取すると健康に害を及ぼすリスクがあります。 |
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卵黄 | 卵黄(黄身)には、ビオチンがたくさん含まれていて、卵白によって損なわれるビオチンを補うことができます。 |
生卵を食べても問題ないが卵白には注意
犬は卵を食べることができますが、生のま卵白のみ食べる場合には注意が必要です。
生卵の卵白に含まれるアビジンを、ワンちゃんが過剰に摂取すると、ビオチンが不足します。
生卵を食べる際に卵白だけ大量に食べるということは滅多にありませんが、
そういうことがある、という点は念頭に置いておきましょう。
生卵に懸念されるリスク
犬が生卵を食べても基本的には問題ありません。
しかし、卵の卵白に含まれるアビジンには、ビオチンの吸収を阻害する働きがあり、皮膚や被毛のコンディションや子犬の成長などに悪影響を及ぼす危険があります。
相当な量の卵白を食べない限り、ビオチンが不足してしまうことは滅多にありませんが、注意するに越したことはありません。
一方、卵黄はビオチンが豊富に含まれているため、卵白のアビジンによる効果を補い、ビオチンの不足を防いでくれます。
そのため、もし愛犬が生卵を食べてしまったとしても、悪影響がある可能性は低いです。
ただし、食中毒などの危険もありますので、基本的に生卵を犬に積極的にあげることはしないでください。

卵は栄養豊富ですが、生卵のまま犬にあげることはおすすめできません。
生卵は全卵か黄身だけならOK
卵は食べすぎに注意すれば、犬が食べても特に問題はない食べ物です。
生卵のままでも、大量にあげたり、卵白だけあげたりしなければ、特に問題はありません。
卵の白身に含まれるアビジンには、皮膚炎や成長不良になる危険性があります。
しかし、卵の黄身はアビジンによって損なわれる栄養を補ってくれることと、アビジンは熱に弱いという特徴があります。
そのため、黄身と白身を混ぜた全卵の状態や、黄身だけの状態、あるいは加熱調理をしてから食べる分にはアビジンによる悪影響は少ないのです。

卵黄には、ビオチン以外のビタミンや、必須アミノ酸が豊富に含まれています。
卵は加熱したものを与えたほうがよい
全卵であれば成分に問題がないとはいえ、生卵を犬に積極的に上げることはおすすめできません。
生卵の保存状態によってはサルモネラ菌が繁殖し、まれに食中毒を起こす可能性があります。
安全面や食べやすさも考え、犬に卵を上げるときには加熱したものにしましょう。
また、アビジンは熱に弱いため、加熱することで効果を弱めることができます。

サルモネラ菌を退治するには、75℃以上の温度で1分間以上加熱することが必要です。また、あび
卵アレルギーにも要注意
犬にも人間のように卵でアレルギーを起こす子がいます。
卵アレルギーは生卵でも、加熱したものでも起こる可能性はあるため、注意が必要です。
愛犬に卵を最初にあげるときには一口だけにとどめておき、アレルギー反応が出ていないかどうか、体調の観察をしてください。
また、すでに鶏肉アレルギーを発症しているワンちゃんは、卵アレルギーを起こす可能性が高いといわれています。
アレルギー体質の子や、体調がよくない状態の時には与えないようにしましょう。
生卵を与えることで懸念されるリスク
アビジンによるビオチン不足
卵白に含まれるアビジンは、体内のビオチンの吸収を阻害して不足させる働きがあります。
ビオチンは、ワンちゃんの体内でエネルギーが生み出される際に活躍する他、皮膚や被毛を乾燥から守る効果がある栄養素です。
ビオチンが不足すると、皮膚炎や無気力、疲労などの症状が現れるほか、子犬の成長が阻害されるようになってしまいます。
とはいえ、卵1個分の卵白を食べたくらいでは、ビオチン欠乏症になるほどではありません。
また、アビジンは熱に弱いため、加熱調理をすればビオチンの吸収を阻害する働きが弱まります。
念のため、皮膚の弱い子や子犬には生卵を与えないようにしましょう。

アビジンは、卵から孵る前の鳥のひなにとっては重要な成分です。外部から侵入してきた細菌のビオチンを欠乏させて、菌の活動を抑えることで、ヒナの健康を守っているのです。
サルモネラ菌による食中毒
卵白・卵黄を問わず、生の卵をワンちゃんに与えることは、食中毒菌への感染リスクが懸念されます。
卵の中には、きわめて低い確率ではありますが、サルモネラ菌と呼ばれる食中毒菌に汚染されたものが混ざっている可能性があります。
また、ひび割れた卵や賞味期限が過ぎたもの、温度差で結露が出たまま放置されたものなどは、食あたりの可能性が高まります。

日本国内で流通している卵は、非常に衛生的に管理されているため、サルモネラ菌の汚染確率はわずか0.0029%程度です。しかし、割れているものや保存状態の悪いものは食中毒の危険が高まります。
卵は食べ過ぎに注意!一日に与えていい量は?
卵は栄養豊富なので、食欲が落ちてしまったワンちゃんへの栄養補給として活用する方もいます。
しかし、栄養価が高いぶん、カロリーも少し高く、卵一個(55g) で74㎉になります。
上記の注意点に気を付けていても、たくさん食べさせてしまうと肥満や栄養の偏りにつながります。
犬に一日に与えていい卵の量は、犬の体重1㎏に対して、卵7gです。
大きさ別に、一日の摂取量の上限の目安をあげると、以下の量になります。
- 小型犬……15g~30g(卵半分)
- 中型犬……40g~60g(小さめの卵一個分)
- 大型犬……70g~110g(卵二個分)
与える際の参考にしてみてください。
また、犬に挙げるときには食べやすくカットしてあげましょう。

塩分・糖分過多につながるため、ワンちゃん用の卵料理に味付けは不要です。食べやすくヘルシーなゆで卵がおすすめ。